M「アメリカの怪奇民話」高田邦夫訳

評論社 うーん、ここに収められているのはどれも、あんまり民話という感じじゃなかったですねえ…。 多くを占めるのは、魔女狩りの話と海賊の話なんですけど、 特に魔女狩りの話は、「ひどいこと昔はあったけど、今の私たちは正気だから、それがひどい事だと…

M「スウェーデンの怪奇民話」清水育男訳

評論社 巨人の話とトロルの話多し。で、巨人はたいていお馬鹿さん(笑)。 トロルは靴屋の小人よろしく、いろんな仕事をこなしてくれるが人間の前には姿をあらわさないのが定石。 山中にある見事な大邸宅に眠る12人の眠れる騎士は、スウェーデンに危機が迫ると…

M「ロシアの怪奇民話」金本源之助訳

評論社 いやー、ロシアってやっぱ独特ですなああ。 骨と皮ばかり、魔法を使い、人を喰らう老婆「バーバ・ヤガー」。これよう出てきました。ポピュラーなんでしょうね。 ロシアの子供は「バーバ・ヤガーが来るぞ!」と言われたら慌てて寝床にもぐりこんだりし…

もうすっかり暑さにやられているMですこんにちわこんばんわ。 色々読んではいるのですが、いまひとつグッとくるものがなく。きっと暑さで脳みそがゆだっているせいかと。 そんなこんなで、とりあえず箇条書きです。 まずは評論社から出ている怪奇民話シリー…

S「雲霧仁左衛門」池波正太郎 

新潮文庫 私事ですが、うちの2匹目の黒猫の名前は仁左衛門。ちょうどこれを読んでいる時にうちに来た。 来たは良いが、姿は見えず。餌は食べているようだが、雲のように現れ霧の様に消えてしまう。 それで仁左衛門(義姉猫は尻尾の形状から、ぐるぐる)。5…

M「ダブル・スター」ロバート・A・ハインライン

東京創元社 落ちぶれ役者が、某政治家の身代わりになって大嫌いな火星に。 冒険譚といいましょうか、次から次へと事件が起こり、いやおうなく巻き込まれながらも主人公がとにかく動いていくので楽しかったです。 難を言えば、SFである必要あんのかな?という…

M「時間泥棒」ジェイムズ・P・ホーガン

創元SF文庫 すんごいアッサリ読めました。文庫で169Pですからねえ。手軽で気の利いた小品という感じです。 近未来?舞台はNY。 あちこちの時計が狂いはじめる。 次第に場所によって時間の流れが違うことがわかる。 時間が盗まれてる!→時間泥棒だれだ?…

M「スロー・リバー」ニコラ・グリフィス

早川書房 うわああこれは。 大富豪の娘フランシス・ロリエン・ヴァン・デ・エストが誘拐され、逃げ出し、地下アウトロー生活の後、下水道処理場で働く作業員として働き始め、そこで破壊工作事件に直面し、誘拐事件の真相にたどり着く。 「大金持ち娘時代」「…

M「タウ・ゼロ」ポール・アンダースン

東京創元社 いやー壮大です。 遠い星に殖民のため地球を出発した宇宙船。 ところが船の減速装置が壊れてしまい、どこまでもどこまでも加速し続けることに。 速すぎて、宇宙の成長速度も追い越しちゃったー! ビッグバン始まっちゃったよ!じゃあ生まれた若い…

M「エンジン・サマー」ジョン・クロウリー

福武書店 これはもう、すごく、ものすごく良かったです!!! 遠い未来。現在の人類は「天使」という形でかすかに記憶がある位の遠い未来。 リトルレビアという土地に住む「パーム・コード/手のひら系」の《しゃべる灯心草》という名の少年が主人公。 彼が《一…

まずは、前回Sさまが書いてくださったレビューを読んですぐに連想した本を。 読んだのはもう数十年近く前。けれどいまだに強烈な印象が残っています。

S「緑のヴェール」ジェフリー・フォード 

国書刊行会 そして完結編。浮き島から帰還したクレイは眼鏡をかけた魔物ミスリックスと〈彼の地〉への旅に出る。途中で別れたクレイとミスリックスの話が交互に進んで行く形式。 この3作目が一番面白かったし、独立した冒険潭としてもとても良かったと思う…

S「記憶の書」ジェフリー・フォード 

国書刊行会 あまり良い印象のないまま終わったこのシリーズ第一作目だったけれど、半年経ってなんとなく続編を手に取ってみた。 するとどうでしょう!1作目は1ヶ月もかかったのに、これは2日半で読了。つまり面白かったのです。 理想形態市の崩壊から8年…

S「白い果実」ジェフリー・フォード 

国書刊行会 3部作の1作目。可愛い表紙に魅かれて読み始めたが、悪夢の様な内容で残虐非道。 観相官クレイが主人公で、理想形態市から独裁者マスター・ビロウに派遣されてある村に来る。独善的で偉そうで、本当に嫌な感じ。 炭坑で長く働いた為に鉱石と同じ…

Sです。まずは3月11日の東日本大震災で被災された皆様、ご家族の皆様にお見舞い申し上げます。 少しでも皆様の毎日が楽になりますように。心からお祈りしています。 被害のなかった地に住む私も、あの日から何かが変わってしまったような気持ちで過ごしてい…

M「おれの中の殺し屋」ジム・トンプスン

扶桑社ミステリー うー・わ! なんだろう、なんだこれ、なんかわからないけど、 読み始めたら止まらなくなって、もう一気読み。 決して爽快な話ではないです。なにしろ一人の男が人殺しを続けていくのですから。 かといって陰鬱、というわけでもないのです。…

M「長い日曜日」セバスチアン・ジャプリゾ

創元推理文庫 以前イザベル・アジャーニ主演「殺意の夏」を観たのですが、その原作者ということもあって、以前からなんとなく気になってたこの作品。縁あってこのたび手元にいらっしゃいました。 で、読み出したら、あれよあれよ、もう引き込まれて、一気に…

M「地球の長い午後」ブライアン・W・オールディズ

ハヤカワ文庫 寒い季節に読んでみました「HOTHOUSE」。 こーれーは!すごいなあ。ほんますごい。 何がすごいかって、このイメージの奔流! 何十世紀も先、地球の自転は止まり、永遠に片面が昼で停止した未来。 太陽の放射線が力を増し、植物が進化し…

あけましておめでとうございます! …と言いたかったあああのココロですが、現実は既に2月も末。 言うてるうちに春ですよ。梅ですよ桜ですよ。 勝手気侭な更新ペースに、加速度がついてしまって、あわわわわ。 ようよう2011年初の更新です。 細く長く続けた…

S「ミサゴの森」ロバート・ホールドストック

角川書店 面白かったです。前半はちょっとまどろっこしかったけど、森に入ってからお話が一気に動く。そこが森の外と中の時間の流れ方の違いとも合っていて、うーむ上手いなと唸る。 ミサゴは英語の音訳で、MYTHAGO=神話(myth)+成像(imago)。魚か鳥か…

今回はMさまのレビュー本から後追い読みしたものを。

M「吸血鬼カーミラ」シェリダン・レ・ファニュ

創元推理文庫 ちゅうわけで、本家本元の吸血鬼ものを読んでみた!(本家本元は言いすぎか。ポリドーリの「ヴァンパイア」があるので祖というわけではないですね。) レ・ファニュは、「緑茶」だけ読んでて、それがど〜も長い上にかったるかったんで、いまい…

M「死の姉妹」グリーンバーグ&ハムリー編

扶桑社ミステリー ヴァンパイアをテーマにしたアンソロジー。アンソロジーというのは、とかく玉石混交になりがちですが、これは中々当たりでした。 そのうちいくつかについて覚書。 ・「からっぽ」M・ジョン・ハリスン 話自体はちょい消化不良だったけど、…

M「孤独の街角」パトリシア・ハイスミス

扶桑社ミステリー ああこれはね!なかなか読み応えありました! ハイスミス、短篇はいくつか読んでいたのだけど長編は初見で、読んですぐはアイリッシュと似た手触りを感じました。都会/孤独/ 何よりその孤独な人物を見つめる冷徹な視点。主要人物三人の関係…

M「センチメンタル・シカゴ」サラ・パレツキー

ハヤカワ文庫 お久しぶりでございます“ヴィク”V・I・ウォーショースキー! といっても第三作目。私が久しぶりなだけ。以前シリーズ拾い読みしたきりだった…。 しかし相変わらず展開目まぐるしい。硫酸をかけられ、自宅には放火され、はたまた証拠探しに証…

本日は、相方さんにお借りした本の中からいくつか感想を。

M「怪奇礼讃」中野善夫・吉村満美子編訳

創元推理文庫 うっふん。玉石混合なれど、好きなものも幾つか。 ・「塔」マーガニスタ・ラスキ これ怖えええよ!血どころか、幽霊さえも出てきませんよ?それでもゾオオオオッとするの。凄腕! ・「よそ者」ヒュー・マクダーミッド うまいなあもう!さりげな…

M「ねじれた家」アガサ・クリスティー

ハヤカワ文庫 アンファン・テリブルものは読んでいて辛いのですよ…。 主人公(つーか狂言回し役)のチャールズが、ええ感じにアホなんで楽しかったです。

M「ハンニバル」トマス・ハリス

新潮文庫 えー…。読了して正直脱力。 何より、レクター博士が、どんどん超人的になってるのに唖然。優秀な精神科医で腕時計のバンドや化粧品までかぎわける動物的嗅覚持ってて美食家でクラシック音楽や建築や美術にも造詣が深い…というのは前作でも描写され…

M「エラリー・クイーンの新冒険」エラリー・クイーン

創元推理文庫 「新冒険」あるの知らなかったよー!「冒険」は読んでたので迷わず購入。 中短篇集です。いくつか感想をピックアップ。 「がらんどう竜の冒険」間違った日本イメージ横溢(笑)。名前からして!カジワ?それ何人?みたいな。クイーンは地名シリ…