M「ハンニバル」トマス・ハリス

新潮文庫 えー…。読了して正直脱力。 何より、レクター博士が、どんどん超人的になってるのに唖然。優秀な精神科医で腕時計のバンドや化粧品までかぎわける動物的嗅覚持ってて美食家でクラシック音楽や建築や美術にも造詣が深い…というのは前作でも描写され…

M「エラリー・クイーンの新冒険」エラリー・クイーン

創元推理文庫 「新冒険」あるの知らなかったよー!「冒険」は読んでたので迷わず購入。 中短篇集です。いくつか感想をピックアップ。 「がらんどう竜の冒険」間違った日本イメージ横溢(笑)。名前からして!カジワ?それ何人?みたいな。クイーンは地名シリ…

M「天使と宇宙船」フレドリック・ブラウン

創元SF文庫 まずタイトルが良いですよ!天使と宇宙船って!良いと思いません?あ、そうでもない…? ブラウンは大好きなので、ついつい点が甘くなります。 つうか1954年作ですよ!既に50年以上前ですよ!嗚呼ブラウンが夢想した未来は果たしてやってきてるの…

…でわでわ続いて、このところ読んだミステリや怪奇ものやSFもの、等の中からいくつか。

M「項羽と劉邦」司馬遼太郎

新潮文庫 おお中国歴史モノがきましたね!偶然にも、私もこれを書きたくて仕方なかったのですよ〜。 というわけで、「項羽と劉邦」です! やーもう、これは凄い!思わず血反吐! とりあえずいっぱいひとがでてくるので、おぼえるのがたいへんです(小学生読…

S「シモネッタのデカメロン イタリア的恋愛のススメ」田丸公美子

文春文庫 これは御年82歳になられる昔の職場の元上司からのおススメ本。最近の私はとんと手に取ることもなかった恋愛本なのです。 これを手に取ろうと思った元上司はまだまだ現役感覚で、頼もしいですねぇ。ますます素敵でオモロいおじいちゃまになってほし…

S「太公望」宮城谷昌光

文春文庫 定年を迎えられた元職場の方から「太公望を気取って釣り糸を垂れる毎日です」と葉書を頂いたのが、もう10年位前。それからずっと気になっていた太公望をやっと読んだ。諸星大二郎のマンガに出てきたあの人かと気づいたのは読後のこと。 簡単すぎ…

M「最後の愚連隊 稲川会外伝」正延哲士

幻冬舎アウトロー文庫 うむ。戦前からの愚連隊林喜一郎が、稲川組の傘下に入りのしあがり、夜の横浜市長と呼ばれるまでになり、そして死ぬまでの生涯を描いたドキュメンタリ。…なんですが、今ひとつ惹かれなかった…。一つには登場人物がやたらと多く人間関係…

M「牛乳配達退場」シャーロット・マクラウド

創元推理文庫 どれを読んでも安心のマクラウド。もちろんこれもその一つ。 しかしシャンディ教授もの第十弾ともなると、どうしても定型化しちゃうかなあ。それでも楽しいけど。 今回はちょっと後半ダレたかなあ〜。 あとトールシェルド・スヴェンソン学長が…

M「偽のデュー警部」ピーター・ラウゼイ

ハヤカワ・ミステリ文庫 これは秀逸!ひさっびさに良いミステリ。二・三作読んだだけで敬遠しててごめんなさいラウゼイ。 登場人物がどの人もおかしみ溢れてて。特に主要人物の一人、奥手で恋愛小説に耽溺してるアルマってば、出来事一つ一つをお気に入りの…

M「ミサゴの森」ロバート・ホールドストック

角川書店 Sさまの「木」レビューを読んで思い出しました。 SFファンタジーです。読んだのは数十年前。ざっくりとした粗筋としては 考古学者だった父が長年調査していた不思議なエネルギーに満ちた森。古代語を話す少女を探して兄はその森に消えた。そして…

S「木」幸田文

新潮文庫 樹木好きの筆者が遺した、日本各地の樹々との出逢いと思いがつまった随筆。 幸田文の本で一番好きなのは「きもの」で、この本が二番目。毎日の暮らしの中に着物や布地への愛着が自然に染み込んでいるのと同じように、木へ愛情もそれに近い。 木の肌…

M「影絵」宮尾登美子

集英社文庫 短篇集。四編入っています。 読んだ当初は「連」が、きみこ(漢字が出ない)の凄絶な最後の姿や供養塔の中で青い光を放つ屑珠、等の描写のインパクトが強かったのですが、時間がたつにつれじわじわと、「夜汽車」の方を思うようになりました。 「…

M「M.R.ジェイムズ傑作集」M.R.ジェイムズ

創元推理文庫 うっひょうM.R.ジェイムズですよ!やっぱ好きですなあ。 好きといいつつ全集は持ってないわけですが(浅い)。 改めて読むと、こういう「昔ながらの」怪談話が自分の好みだということを再確認するわけです。 全然派手ではないです。むしろ地味…

私ってば唐突に読書の春が来ちゃったようです。というわけで連投。桜は狂い咲き〜♪

M「ひらいたトランプ」アガサ・クリスティー

ハヤカワ文庫 ブリッジのルールわからねええええええ! でもブリッジが、犯人の気質や動機や犯行方法を推理するのに重要な手掛かりとなってるううう! 解説者もそこは重々承知で、巻末に丁寧にブリッジのルールを掲示してくれてるんですが、 付け焼刃に読ん…

M「クリムゾン・リバー」ジャン=クリストフ・グランジェ

創元推理文庫 うう胃にもたれる…というのが第一印象。 指紋のトリックは驚いた。つうか実行したのが怖い。 追い詰めていく過程はスリリングだし、どんどん話は転がるんだけど、うううむ惨殺すぐる。 惨殺死体もその現場も、犯行の動機の背景となる陰謀も、何…

M「舞台裏の殺人」キャロリン・G・ハート

ハヤカワ文庫 地方劇団のリハーサル中に起きた殺人。主人公はミステリ専門書店を経営する女性。 と、好きな要素は入ってるんですが、中盤まで物語に入れず。 なかなか登場人物が頭に入ってきませんでした。一応それぞれ人物設定はされてるんですが、今ひとつ…

M「猿来たりなば」エリザベス・フェラーズ

創元推理文庫 これは好きです。 後書きによれば、彼女の作品を形容するのにしばしば使われるのが、<ドメスティック・ミステリ>なんだそうで、これは平和そうに見える家庭や小さなコミュニティーが舞台の推理小説のことらしく。 って、私嫌いなわけがありま…

おとといの晩ふと「エル・アルコン」を購入したのが運のつき。続々家中の「アルカサル」「エロイカ」「ツェット」「魔弾の射手」が引っ張り出され、徹夜で青池保子祭りが開催されていたMですこんにちわこんばんわ。 このところ読んだ推理小説を、四本まとめ…

S「クリスマスに少女は還る」キャロル・オコンネル

東京創元社 もうこれは、早くも今年のベスト1決定かもしれない。 これまたMさんのレビューでほとんど言い尽くされているのですが、書かずにおれません。 誘拐された10歳の女の子達が渾身の力と知恵を絞って逃げ出そうとすお話。 その立役者、ホラーマニア…

S「半身」サラ・ウォーターズ

創元推理文庫 失礼ながら、あまり期待せずに読みました。 重苦しい監獄や英国の上流階級の家庭の描写は面白く、お話もスムーズに読んで行けました。 Mさんも書いていましたが、不器用な主人公がもうもどかしくて。でもひたむきで可愛くて。 娘を縛り付けよう…

Mさんにお借りして読んだ2冊。Mさんのレビューで充分納得ですが、心がざわざわしてちょっと書きたくなりましたので…蛇足覚悟で書きます(キッパリ)。 2人分のレビューを合わせると完全なるネタバレであります。ごめんなさい。これから読まれる方はご注意…

M「クリスマスに少女は還る」キャロル・オコンネル

東京創元社 さてさて、最近読んだコレが、女子友情ものでした。 いやミステリなんですけど。 Sさまのは歳の差友情でしたが、これは同い年少女達。 これはねえ…もう読みながら、色んなところで涙ダダモレでした。 とにかくサディーが素敵すぎる。 若干10歳で…

先週には書こうと思っていたのですがなんやかんやで今日に。あわわ。 まあ無理せずいきますです。

S「万寿子さんの庭」黒野伸一

小学館文庫 ただもう「庭」という言葉と、「ハタチと78歳、半世紀の年齢差を超える友情!」という帯にやられて衝動買いしてしまいました。 主人公の京子ちゃん(ハタチ)も、引越し先のご近所の万寿子さん(78歳)もちょっと変わった人。だけどすごく愛おし…

便乗して帰ってきました。Sです。Mさんの「半身」。女の友情って、本当の半身って…と考えさせられました。最近読んだ本がやっぱり女(の子)の友情の話で、これは結構ぐっときたのです。こちらもネタバレです。ドキドキして読みたい方はご注意あれ。

M「氷の家」「女彫刻家」ミネット・ウォルターズ

創元推理文庫 うう〜むこれは…サラ以上に合わなかった…。 猟奇的な引きは抜群。けどなんだかあちこちひっかかる。 「氷の家」はあっと驚く結末だけど…なんとなく、うーん。 「女彫刻家」は壊滅的に駄目だった。謎解きも?な感じですっきり腑に落ちませんでし…

M「半身」サラ・ウォーターズ

創元推理文庫 というわけで、とりあえずこの間読了したコレを。なんとなーくタイトルは知ってました。色々評判になってたので。 で、「ミステリ」としての評判がすごいという記憶があったので、いちおそのつもりで読み始めたんだけど… 節子ちゃう…これミステ…