M「偽のデュー警部」ピーター・ラウゼイ

ハヤカワ・ミステリ文庫


これは秀逸!ひさっびさに良いミステリ。二・三作読んだだけで敬遠しててごめんなさいラウゼイ。
登場人物がどの人もおかしみ溢れてて。特に主要人物の一人、奥手で恋愛小説に耽溺してるアルマってば、出来事一つ一つをお気に入りのシーン通りだわっと勘違いしちゃう。自分的にはなかなかツボでしたw。
他、くるぶし自慢のマージョリーと無骨なその夫のやりとりとか、娘を富豪の男性とカップル成立させようして娘が抵抗する様子とか、妻が死んでからのいかさまトランプ師のジャックのぶっちゃけぶりとかも可笑しい。豪華客船内のイベント等や船長や護衛海曹の人間関係もほどよく織り込まれ、うまいなあ〜と嘆息。どんどん読めちゃって進むのが惜しい位。
女優の妻は生きてるんだろうなあ〜と思ったけど、その方向は予想とは違い全然満足。終わり方もすごく良かった。ミステリなんで殺人事件もあるし犯人もいるけど、どの人も憎めない。すんごい気持ちよく読めました。楽しかった!