2010-01-01から1年間の記事一覧
角川書店 面白かったです。前半はちょっとまどろっこしかったけど、森に入ってからお話が一気に動く。そこが森の外と中の時間の流れ方の違いとも合っていて、うーむ上手いなと唸る。 ミサゴは英語の音訳で、MYTHAGO=神話(myth)+成像(imago)。魚か鳥か…
今回はMさまのレビュー本から後追い読みしたものを。
創元推理文庫 ちゅうわけで、本家本元の吸血鬼ものを読んでみた!(本家本元は言いすぎか。ポリドーリの「ヴァンパイア」があるので祖というわけではないですね。) レ・ファニュは、「緑茶」だけ読んでて、それがど〜も長い上にかったるかったんで、いまい…
扶桑社ミステリー ヴァンパイアをテーマにしたアンソロジー。アンソロジーというのは、とかく玉石混交になりがちですが、これは中々当たりでした。 そのうちいくつかについて覚書。 ・「からっぽ」M・ジョン・ハリスン 話自体はちょい消化不良だったけど、…
扶桑社ミステリー ああこれはね!なかなか読み応えありました! ハイスミス、短篇はいくつか読んでいたのだけど長編は初見で、読んですぐはアイリッシュと似た手触りを感じました。都会/孤独/ 何よりその孤独な人物を見つめる冷徹な視点。主要人物三人の関係…
ハヤカワ文庫 お久しぶりでございます“ヴィク”V・I・ウォーショースキー! といっても第三作目。私が久しぶりなだけ。以前シリーズ拾い読みしたきりだった…。 しかし相変わらず展開目まぐるしい。硫酸をかけられ、自宅には放火され、はたまた証拠探しに証…
本日は、相方さんにお借りした本の中からいくつか感想を。
創元推理文庫 うっふん。玉石混合なれど、好きなものも幾つか。 ・「塔」マーガニスタ・ラスキ これ怖えええよ!血どころか、幽霊さえも出てきませんよ?それでもゾオオオオッとするの。凄腕! ・「よそ者」ヒュー・マクダーミッド うまいなあもう!さりげな…
ハヤカワ文庫 アンファン・テリブルものは読んでいて辛いのですよ…。 主人公(つーか狂言回し役)のチャールズが、ええ感じにアホなんで楽しかったです。
新潮文庫 えー…。読了して正直脱力。 何より、レクター博士が、どんどん超人的になってるのに唖然。優秀な精神科医で腕時計のバンドや化粧品までかぎわける動物的嗅覚持ってて美食家でクラシック音楽や建築や美術にも造詣が深い…というのは前作でも描写され…
創元推理文庫 「新冒険」あるの知らなかったよー!「冒険」は読んでたので迷わず購入。 中短篇集です。いくつか感想をピックアップ。 「がらんどう竜の冒険」間違った日本イメージ横溢(笑)。名前からして!カジワ?それ何人?みたいな。クイーンは地名シリ…
創元SF文庫 まずタイトルが良いですよ!天使と宇宙船って!良いと思いません?あ、そうでもない…? ブラウンは大好きなので、ついつい点が甘くなります。 つうか1954年作ですよ!既に50年以上前ですよ!嗚呼ブラウンが夢想した未来は果たしてやってきてるの…
…でわでわ続いて、このところ読んだミステリや怪奇ものやSFもの、等の中からいくつか。
新潮文庫 おお中国歴史モノがきましたね!偶然にも、私もこれを書きたくて仕方なかったのですよ〜。 というわけで、「項羽と劉邦」です! やーもう、これは凄い!思わず血反吐! とりあえずいっぱいひとがでてくるので、おぼえるのがたいへんです(小学生読…
文春文庫 これは御年82歳になられる昔の職場の元上司からのおススメ本。最近の私はとんと手に取ることもなかった恋愛本なのです。 これを手に取ろうと思った元上司はまだまだ現役感覚で、頼もしいですねぇ。ますます素敵でオモロいおじいちゃまになってほし…
文春文庫 定年を迎えられた元職場の方から「太公望を気取って釣り糸を垂れる毎日です」と葉書を頂いたのが、もう10年位前。それからずっと気になっていた太公望をやっと読んだ。諸星大二郎のマンガに出てきたあの人かと気づいたのは読後のこと。 簡単すぎ…
幻冬舎アウトロー文庫 うむ。戦前からの愚連隊林喜一郎が、稲川組の傘下に入りのしあがり、夜の横浜市長と呼ばれるまでになり、そして死ぬまでの生涯を描いたドキュメンタリ。…なんですが、今ひとつ惹かれなかった…。一つには登場人物がやたらと多く人間関係…
創元推理文庫 どれを読んでも安心のマクラウド。もちろんこれもその一つ。 しかしシャンディ教授もの第十弾ともなると、どうしても定型化しちゃうかなあ。それでも楽しいけど。 今回はちょっと後半ダレたかなあ〜。 あとトールシェルド・スヴェンソン学長が…
ハヤカワ・ミステリ文庫 これは秀逸!ひさっびさに良いミステリ。二・三作読んだだけで敬遠しててごめんなさいラウゼイ。 登場人物がどの人もおかしみ溢れてて。特に主要人物の一人、奥手で恋愛小説に耽溺してるアルマってば、出来事一つ一つをお気に入りの…
角川書店 Sさまの「木」レビューを読んで思い出しました。 SFファンタジーです。読んだのは数十年前。ざっくりとした粗筋としては 考古学者だった父が長年調査していた不思議なエネルギーに満ちた森。古代語を話す少女を探して兄はその森に消えた。そして…
新潮文庫 樹木好きの筆者が遺した、日本各地の樹々との出逢いと思いがつまった随筆。 幸田文の本で一番好きなのは「きもの」で、この本が二番目。毎日の暮らしの中に着物や布地への愛着が自然に染み込んでいるのと同じように、木へ愛情もそれに近い。 木の肌…
集英社文庫 短篇集。四編入っています。 読んだ当初は「連」が、きみこ(漢字が出ない)の凄絶な最後の姿や供養塔の中で青い光を放つ屑珠、等の描写のインパクトが強かったのですが、時間がたつにつれじわじわと、「夜汽車」の方を思うようになりました。 「…
創元推理文庫 うっひょうM.R.ジェイムズですよ!やっぱ好きですなあ。 好きといいつつ全集は持ってないわけですが(浅い)。 改めて読むと、こういう「昔ながらの」怪談話が自分の好みだということを再確認するわけです。 全然派手ではないです。むしろ地味…
私ってば唐突に読書の春が来ちゃったようです。というわけで連投。桜は狂い咲き〜♪
ハヤカワ文庫 ブリッジのルールわからねええええええ! でもブリッジが、犯人の気質や動機や犯行方法を推理するのに重要な手掛かりとなってるううう! 解説者もそこは重々承知で、巻末に丁寧にブリッジのルールを掲示してくれてるんですが、 付け焼刃に読ん…
創元推理文庫 うう胃にもたれる…というのが第一印象。 指紋のトリックは驚いた。つうか実行したのが怖い。 追い詰めていく過程はスリリングだし、どんどん話は転がるんだけど、うううむ惨殺すぐる。 惨殺死体もその現場も、犯行の動機の背景となる陰謀も、何…
ハヤカワ文庫 地方劇団のリハーサル中に起きた殺人。主人公はミステリ専門書店を経営する女性。 と、好きな要素は入ってるんですが、中盤まで物語に入れず。 なかなか登場人物が頭に入ってきませんでした。一応それぞれ人物設定はされてるんですが、今ひとつ…
創元推理文庫 これは好きです。 後書きによれば、彼女の作品を形容するのにしばしば使われるのが、<ドメスティック・ミステリ>なんだそうで、これは平和そうに見える家庭や小さなコミュニティーが舞台の推理小説のことらしく。 って、私嫌いなわけがありま…
おとといの晩ふと「エル・アルコン」を購入したのが運のつき。続々家中の「アルカサル」「エロイカ」「ツェット」「魔弾の射手」が引っ張り出され、徹夜で青池保子祭りが開催されていたMですこんにちわこんばんわ。 このところ読んだ推理小説を、四本まとめ…