2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

M「ロリの静かな部屋」ロリ・シラー&アマンダ・ベネット

早川書房 「美しい鳥つながりから、暗くて妖しい所へ」っていいですねえ。暗くて妖しい世界大好き!このまま幻想の世界に行こうかな~とも思ったんですが、「現実と妄想の境目があいまいになる。自分は現実だと思っているのに、誰も信じてくれない」の一節に…

S「ミリアム」トルーマン・カポーティ

「夜の樹」収録 川本三郎訳 新潮文庫 M様の「こまどり」を読んで、少年が出てくる話をいくつか思い出しました。 ヘッセの「デミアン」とか、コクトーの「恐るべき子供達」とか。 でも最後の所でカポーティの名前が出てきて、一気にカポーティに心を持って行…

M「こまどり」ゴア・ヴィダール

「新・幻想と怪奇」仁賀克雄編所収 Hayakawa pocket mystery books S様の「ある小さなスズメの記録」の『小鳥』『ウォルター・デ・ラ・メア』で思い浮かんだのがこの作品。幻想怪奇のアンソロジーに載っていた短編ですが、怖いというよりは心痛む感じです。 …

S「ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯」

文春文庫 Mさんの「砂嵐の追跡」の野鳥愛好家から連想したのは、共に暮らしたスズメの一生を記したクレア・キップスのこの本。 挿画は酒井駒子でカバーや帯の色までも美しい文庫本。 訳者が梨木香歩、解説が小川洋子。 さらに豪華なことには、キップスに執筆…

M「砂嵐の追跡」ウェンディ・ホーンズビー

Hayakawa pocket mystery books Sさまの「ザリガニの鳴くところ」を読んで思い出したこの作品。こちらは「ベスト・アメリカン・ミステリ2006」所収の短編です。 主人公の女性は、峡谷の雛を辛抱強く見守る野鳥愛好家です。砂漠で一晩すごすために、さまざま…