M「砂嵐の追跡」ウェンディ・ホーンズビー

Hayakawa pocket mystery books

 

 

 

Sさまの「ザリガニの鳴くところ」を読んで思い出したこの作品。
こちらは「ベスト・アメリカン・ミステリ2006」所収の短編です。

 

主人公の女性は、峡谷の雛を辛抱強く見守る野鳥愛好家です。
砂漠で一晩すごすために、さまざまなキットを準備し設営するのですが
その手順が知らないことばかりで読んでて楽しい。
自然と親しみそれと共存しているところが少しだけカイアを連想させました。

 

しかし似ている?のはそこまで。
彼女は実はデルタフォースの指導教官!さらに陸軍中尉!さらにさらにトライアスロンの優勝者!
砂漠で偶然遭遇した街の悪党をなんなく手玉にとってきりきり舞いさせます。タフ。
そんなツワモノなのに、いいなと思った男性にアプローチする時には、
「ひとりで過ごすなんて怖いわ」とばかりに、か弱いふりをするのもタフ(笑)

 

肉体的にも精神的にもたくましい女性の短編でした。