2005-01-01から1ヶ月間の記事一覧

S「植物の神秘生活」 ピーター・トムプキンズ+クリストファー・バード

工作舎 こちらは幽霊ではなくて、植物の魂について。植物には知覚があり、人間や他の生命体に対して敏感に呼応している。その感情や知性を大真面目に研究している人達のお話。 二本の植物に電極を取り付けて一方の植物を鋏で切って、もう一方に反応があるの…

M「世界怪異現象百科」ジョン&アン・スペンサー  

原書房 かなり広い範囲に渡って幽霊を取り扱っています。項目は“ポルター・ガイスト”“ドッペルゲンガー”“狐火”“タイム・スリップ現象な幽霊”“いまわの際の幽霊”“メッセージを携えた幽霊”“動物の幽霊”などなど。各項目については淡々と記述されており、どちら…

M「誰も知らない名言集」リリー・フランキー  

情報センター出版局 この日は流し読みばっかりしてました。えへへ。その内の一冊。 リリーさんは一応?イラストレーターで、テレビ「水10!」等にも出てます。変なことばっかり言ってて、でも色気あるし面白い人だなあと思ってました。この本はリリーさんが…

S「囲碁の知・入門編」 平本弥星

集英社 この本は読み物としても面白い。碁の歴史やルール、定石なんかが満載で、碁を知っている人も知らない人も読めるようになっている。中国にある最古の碁盤*1は最も外側の線が盤の端であるために石を置けないという謎がある。正倉院に残っている碁盤には…

M「ラッキーマン」マイケル・J・フォックス  

ソフトバンク社 「エンジンの爆音と思考の静寂」アガタ・クリストフはハンガリーから亡命後一日中女工として働いていて、その工場の騒音にはじめは思考を奪われ、やがてそのリズムと共に言葉を紡ぎだしたんですって。圧倒的な轟音は思考の静寂をもたらすのか…

S「人間の土地」 サン=テグジュペリ

堀口大學 訳 新潮社 郵便飛行機を操縦するのは命がけの仕事だった。冬のアンデス山脈で遭難し生還する友人ギヨメ君のエピソードが好きだ。広いサハラ砂漠で飲み水もなく不時着して生還したサン=テグジュペリ。気の遠くなるような長時間の飛行は、宇宙にぽつ…

M「サムソン・アゴニスツ」ジョン・ミルトン

私は詩が苦手でどうも読み下せなかったりしてミルトンも例外ではないのですが、「サムソン・アゴニスツ」は 苦しみは前にもいやまさる。堪え難き試練に、私はなす術もない この一節があるだけでオーケイでした。でも全体としてはしんどい作品かも。

S「睡蓮の午後」辻邦生

福武書店 『各章の扉にシェイクスピアやシェリーやコールリッジやトマス・ムーアを引用』で思い出したのが、この短編集。それぞれの物語がボルヘスやコクトーやトーマス・マン等のパロディになっており、扉に一節が引用されている。私が一番好きなのは「水の…

M「二つの脳を持つ男」パトリック・ハミルトン  

小学館 『絶対的な「美」への片思い』の言葉で、ついこの間読んだこの本をふと連想しました。勝手に連想しただけでまったくニュアンスは違うんですが。振り向いてくれない女にひたすら恋焦がれ、絶望的な片思いを続ける様子が切ないです。分裂症の男が主人公…

S「人魚の嘆き・魔術師」谷崎潤一郎

中公文庫 悪夢のように美しい短編がふたつ収録されている。妖しい挿絵も冊子の薄さも丁度ワイルドの「サロメ」を思わせる。 南京に住む退屈した貴公子が西洋人から買い取った人魚に心惹かれる「人魚の嘆き」。「魔術師」では美しいアンドロギュノスの魔術師…

M「石の猿」ジェフリー・ディーヴァー 

文藝春秋社 だいぶ前に出た作品ですが、今さらやっと読みました。映画にもなった「ボーン・コレクター」で一躍有名になった四肢麻痺患者リンカーン・ライムもの第四作目です。シリーズ物はえてしてパワーダウンしがちなのに、四作目でも変わらず面白さの水準…