S「囲碁の知・入門編」 平本弥星

集英社


この本は読み物としても面白い。碁の歴史やルール、定石なんかが満載で、碁を知っている人も知らない人も読めるようになっている。中国にある最古の碁盤*1は最も外側の線が盤の端であるために石を置けないという謎がある。正倉院に残っている碁盤には象牙を紺と紅に染めた碁石と黒白の碁石の2組があるそうだ。ため息が出るほどの美しさ。

しばらくそうしていると、あるとき、さっと光が射すことがあります。そうか!……それが上達の瞬間です。
教わろうとしているだけ、覚えようとしているだけでは、そういう喜びは訪れません。こだわりをすてて
心を解き放ち、あるがままの姿が見えてきたとき、内に何かが生じます。

私の碁はまだまだ「覚えようとしているだけ」のお子さま碁。いつか、内に何かが生じる瞬間を感じられるだろうか。「一手の詰め碁」は1巻途中、「ヒカルの碁」もまだ4巻だし、まだまだ修行は長く続きそう。根気が必要ね!

*1:2世紀頃のもの。次に古いのは6世紀の青磁でできたミニチュア碁盤。ほしい!