2011-01-01から1年間の記事一覧

M「デンデラ」佐藤友哉

新潮文庫 実は以前「エナメルを塗った魂の比重」を読んでいまして、その余りのアイタタタタぶりが印象的でしたんで、今回老婆ばかりのお話と聞いてちょっと意外でしたが、これはこれで楽しく読めました。 70オーバーの老婆達が皆とんでもなくタフなところと…

M「虐殺器官」伊藤計劃

ハヤカワ文庫 タイトルに少々ビビリつつ読みましたが、いや面白かったです。 まず「うわあ」と思ったのが、やはりその引用の多様さ。 S様も書いておられる通り、映画・聖書・言語学・進化論・軍事・歴史、色んなとっから自由自在。 モンティ・パイソンは結構…

台風どんどん近づいてますねえ。ゆっくり近づいてるのが微妙にイヤンです。 さてさて、今回はS様にお借りした本を。 感想思いっきり被ってる(つかほぼ同じw)な上ネタばれですが、気にせずゴー!

S「虐殺器官」伊藤計劃 

ハヤカワ文庫 この本のタイトルはずっと気になっていたのに、著者の訃報とほぼ同時に知ったので読みそびれていた。 自分よりも少し若い人が書いた本で、しかも既に亡くなっているとなると…なんとなくフィルターをかけて読んでしまうような気がして。今回は文…

S「デンデラ」佐藤友哉 

新潮文庫 70歳を迎えて山に捨てられた老婆達が生きて村を作っていて、人喰熊と戦う話。 お話としては以上!なのだけど、面白かった。 サバイバル小説。63歳から100歳の老婆達がタフ!私よりもずっとタフ! 名前がみんなカタカナで可愛い。おばあちゃんぽくも…

S「柘榴のスープ」マーシャ・メヘラーン 

白水社 テヘランから逃れてきた美しい三姉妹がアイルランドの田舎でペルシア料理店「バビロン・カフェ」を開く。この設定だけで読みたくなるでしょう?各章ごとの扉絵にはアラベスク模様のタイルや細い首のガラス瓶やスパイスが書かれていて美しい。その裏に…

このところ読書欲がふつふつと沸いており、感想メモがたまるばかりのSです。 更新は遅々として進まずですが、とりあえず3冊いきます。 いつもながらネタバレです。未読の方はどうぞご注意下さいませ。

M「男と男の恋愛ノート」簗瀬竜太+伊藤悟

太郎次郎社 まあ、「あんしん電話」は最後の手段として(えっ) 孤独死の本を読んで、 「家族がいなかったり年上だったり、いても繋がりが希薄なら、他人と繋がっていくしかない。それにはどうすればいいのか?」 という繋がりで読み始めたこの本。 これは、ゲ…

M「ひとり 誰にも看取られず」NHKスペシャル取材班&佐々木とく子

阪急コミュニケーションズ ううううう〜。幾つか事例が紹介されていますがコレが辛い辛い。 死後三年経過し白骨死体になるまで発見されなかった男性なんて最たるもの。 その間誰も訪ねる人も連絡する人もなかったということだものね。 他にも、妻子もなく最…

以前、NHKスペシャルで「孤独死」が取り上げられたことがありました。 かなりの衝撃だったこの案件、今回関連本を手にすることが出来たので更新〜。 例によって内容の詳細説明はナッスイングですアハハ。 では「かんそう」ゴー。

M「ヒトはなぜヒトを食べたか−生態人類学から見た文化の起源」マーヴィン・ハリス

早川書房 結構時間かかったのに特に面白くなかったようクスンクスン。 やたら「コスト=ベネフィット」で論じようとするから、どうも段々我田引水の感が強くなってきてしまい、途中からは「も、もしかして、トンデモ本??でも早川だし…。いやでも…」のせめ…

M「家蝿とカナリア」ヘレン・マクロイ

創元推理文庫 犯人がわかるところまではすごく面白くワクワクしながら読みました。 メスの柄の方に蝿がたかるのは何故か? 何故犯人はメスを研ぐ為押し入った刃物研磨店のカナリアを解き放ったのか? しかし、すれちゃってるので、真犯人「以外」の怪しい点…

M「死への落下」ヘンリー・ウェイド

教養文庫 「推定相続人」の作者。なんですが、うーん… 謎解きの楽しさがない。犯人逮捕のカタルシスもない。 結局主人公が犯人というのがラストでそれとなく示されるけれど、殺しの方法はハッキリしないし、犯人はそのまま逃げおおせることも暗示されている…

M「誰も批評家を愛せない」ジェーン・デンティンガー

創元推理文庫 ショービジネス界内幕ものって基本的に好きです。 これは売れない女優兼演技指導者兼演出家が主人公のブロードウェイもの。 まあまあ面白かったです。 主人公より恋人の刑事やゲイの演出家がいい感じでした。

M「死者を起こせ」フレッド・ヴァルガス

創元推理文庫 これ案外面白かったです。 歴史専攻の学者三人が、貧乏食い詰めて一軒のボロ家を借りて共同生活。 専攻も性格も体格も様々な三人の男、これだけでも十分面白いのですが、冒頭提示される謎が、「元オペラ歌手の庭にある日突然一本の木が植えられ…

M「悪魔は夜はばたく」ディーン・R・クーンツ

創元推理文庫 実はこれが初クーンツ。 モダンホラーってスティーブン・キング以外殆ど読んだことがないのです。「物語の中でくらい救いをくれよ!」が信条でございますので(笑)、基本的に救いのない結末・後味が悪そうな本は避けて通ってるのです。ジャッ…

あとは読んだミステリなどからちょろっと。しかしこうしてみると創元祭りだわ(笑)

M「フランスの怪奇民話」高橋彦明訳

評論社 人魚・妖精でまるまる一章というのが、らしいなあと思いました。 あと、死人の腿肉食べるとか、狼に食べられて手足バラバラとかとか、サクっと人肉を喰らっちゃうお話が 何気に多かったです(笑)

M「アメリカの怪奇民話」高田邦夫訳

評論社 うーん、ここに収められているのはどれも、あんまり民話という感じじゃなかったですねえ…。 多くを占めるのは、魔女狩りの話と海賊の話なんですけど、 特に魔女狩りの話は、「ひどいこと昔はあったけど、今の私たちは正気だから、それがひどい事だと…

M「スウェーデンの怪奇民話」清水育男訳

評論社 巨人の話とトロルの話多し。で、巨人はたいていお馬鹿さん(笑)。 トロルは靴屋の小人よろしく、いろんな仕事をこなしてくれるが人間の前には姿をあらわさないのが定石。 山中にある見事な大邸宅に眠る12人の眠れる騎士は、スウェーデンに危機が迫ると…

M「ロシアの怪奇民話」金本源之助訳

評論社 いやー、ロシアってやっぱ独特ですなああ。 骨と皮ばかり、魔法を使い、人を喰らう老婆「バーバ・ヤガー」。これよう出てきました。ポピュラーなんでしょうね。 ロシアの子供は「バーバ・ヤガーが来るぞ!」と言われたら慌てて寝床にもぐりこんだりし…

もうすっかり暑さにやられているMですこんにちわこんばんわ。 色々読んではいるのですが、いまひとつグッとくるものがなく。きっと暑さで脳みそがゆだっているせいかと。 そんなこんなで、とりあえず箇条書きです。 まずは評論社から出ている怪奇民話シリー…

S「雲霧仁左衛門」池波正太郎 

新潮文庫 私事ですが、うちの2匹目の黒猫の名前は仁左衛門。ちょうどこれを読んでいる時にうちに来た。 来たは良いが、姿は見えず。餌は食べているようだが、雲のように現れ霧の様に消えてしまう。 それで仁左衛門(義姉猫は尻尾の形状から、ぐるぐる)。5…

M「ダブル・スター」ロバート・A・ハインライン

東京創元社 落ちぶれ役者が、某政治家の身代わりになって大嫌いな火星に。 冒険譚といいましょうか、次から次へと事件が起こり、いやおうなく巻き込まれながらも主人公がとにかく動いていくので楽しかったです。 難を言えば、SFである必要あんのかな?という…

M「時間泥棒」ジェイムズ・P・ホーガン

創元SF文庫 すんごいアッサリ読めました。文庫で169Pですからねえ。手軽で気の利いた小品という感じです。 近未来?舞台はNY。 あちこちの時計が狂いはじめる。 次第に場所によって時間の流れが違うことがわかる。 時間が盗まれてる!→時間泥棒だれだ?…

M「スロー・リバー」ニコラ・グリフィス

早川書房 うわああこれは。 大富豪の娘フランシス・ロリエン・ヴァン・デ・エストが誘拐され、逃げ出し、地下アウトロー生活の後、下水道処理場で働く作業員として働き始め、そこで破壊工作事件に直面し、誘拐事件の真相にたどり着く。 「大金持ち娘時代」「…

M「タウ・ゼロ」ポール・アンダースン

東京創元社 いやー壮大です。 遠い星に殖民のため地球を出発した宇宙船。 ところが船の減速装置が壊れてしまい、どこまでもどこまでも加速し続けることに。 速すぎて、宇宙の成長速度も追い越しちゃったー! ビッグバン始まっちゃったよ!じゃあ生まれた若い…

M「エンジン・サマー」ジョン・クロウリー

福武書店 これはもう、すごく、ものすごく良かったです!!! 遠い未来。現在の人類は「天使」という形でかすかに記憶がある位の遠い未来。 リトルレビアという土地に住む「パーム・コード/手のひら系」の《しゃべる灯心草》という名の少年が主人公。 彼が《一…

まずは、前回Sさまが書いてくださったレビューを読んですぐに連想した本を。 読んだのはもう数十年近く前。けれどいまだに強烈な印象が残っています。

S「緑のヴェール」ジェフリー・フォード 

国書刊行会 そして完結編。浮き島から帰還したクレイは眼鏡をかけた魔物ミスリックスと〈彼の地〉への旅に出る。途中で別れたクレイとミスリックスの話が交互に進んで行く形式。 この3作目が一番面白かったし、独立した冒険潭としてもとても良かったと思う…