M「ダブル・スター」ロバート・A・ハインライン

東京創元社


落ちぶれ役者が、某政治家の身代わりになって大嫌いな火星に。
冒険譚といいましょうか、次から次へと事件が起こり、いやおうなく巻き込まれながらも主人公がとにかく動いていくので楽しかったです。


難を言えば、SFである必要あんのかな?という気もしたりして。
はじめの火星人云々のとこだけだよね、SFっぽいの(笑)。
まあ面白いのには変わりないので全然良しです。
皇帝に正体がばれるところはハラハラしましたねえ。あそこはなかなかクライマックス。


結局政治家は死に、一時の代役のはずがその後25年にもわたり代役を演じ続けた主人公は、いつしか役者だった自分を他人のようにどこか遠くから眺め回想する。へえー!
演じていた相手とすっかり同化しちゃったというのがなんとも面白かったです。