M「スウェーデンの怪奇民話」清水育男訳

評論社


巨人の話とトロルの話多し。で、巨人はたいていお馬鹿さん(笑)。
トロルは靴屋の小人よろしく、いろんな仕事をこなしてくれるが人間の前には姿をあらわさないのが定石。


山中にある見事な大邸宅に眠る12人の眠れる騎士は、スウェーデンに危機が迫ると、目を覚まし国を敵から守る、というのは素敵。


で、一番印象に残ったのは「ミューリング」。
「ミューリング」とは、洗礼を受けずして殺された子供の霊。殺された子のためにキリスト教の葬式をあげ、その殺し手を発見し罰するまで、生者を困らせる霊なのですが、この話のミューリングは「踊りを踊りたいんだ」といって、たまたま屋敷に逗留していた靴屋の前で長いこと踊り続けるのです。それがとてももの哀しかったです。