S「白い果実」ジェフリー・フォード 

国書刊行会


3部作の1作目。可愛い表紙に魅かれて読み始めたが、悪夢の様な内容で残虐非道。
観相官クレイが主人公で、理想形態市から独裁者マスター・ビロウに派遣されてある村に来る。独善的で偉そうで、本当に嫌な感じ。
炭坑で長く働いた為に鉱石と同じ青い石のように固まってしまう人々。クレイに顔の造作を計測されただけで犯罪者と烙印を押されてしまう人々。物語が進むに連れて、災厄が起こり人狼のえじきにされ、魔物に喰い殺される人々。主人公が憧れる美しいアーラ、その顔を覆うようになる緑のヴェール、謎の木人。魔法のような力を持つ白い果実。


と、なんとなく気になった部分を書き出すと面白いんだけど実際は全然読み進められなかった。
幻想小説というか空想小説というか、全く違う世界が作り上げられてはいるのだけど…あからさまな露悪趣味に違和感があって、なんだか悲しくなる位に進まなかった。
後半は面白くなってきたけれど、続編はもう読まないで良いかなと思いながらなんとか意地で読了。