Mさんが「吸血鬼ドラキュラ 」が投稿されたのがワールド・ドラキュラデーでした。
ネット上でベラ・ルゴシの画像とかBAUHAUSのライブ映像を目にしたせいもあり、吸血鬼熱が冷めません。
この流れで「レスタト」を書こうかなと思ったのですが、過去投稿を遡ったら前にも書いていました。私たち、本当にヴァンパイア好きですね。
そこでレスタト以前のヴァンパイア・クロニクルズの1冊目、「夜明けのヴァンパイア」にします。
これはアン・ライスの作家デビュー作でもあります。既に本は手元にないのですが、映画化もされている有名な作品。
娘を失った悲しみから自分を癒す為に、家族にも秘密にして書き始めた話と後書きか何かで読んだ気がします。
吸血鬼の男性へのインタビューという形で、吸血鬼になった経緯やその人生が語られる物語。
主人公のルイはニューオーリンズの農場主だった男性で、その時代の町の独特な雰囲気も好きでした。
ルイを吸血鬼にしたレスタトはヨーロッパの貴族で、さらに古い時代の話ではヴァンパイアの地下組織だったり、素性を隠して劇場を運営していたり、古いゴシックホラーからそのまま現代にまで生きてきた歴史が描かれているのも楽しい。
吸血鬼同士の人間(?)関係が結構複雑で、反目があったり恋愛がこじれたり、社会性が必要なのは吸血鬼界も同じ。
たまたま書店で手に取って夢中になったのですが、映画化が発表された時にはキャストに驚きました。
ルイがブラッド・ピット。レスタトがトム・クルーズ。アルマンがアントニオ・バンデラス。
私の持っていたダークで退廃的なイメージと全く違っていて、期待できないなと思いました。
この作品が好きな方も多いと思うし、今観返したらそんなに違和感ないのかもしれないけれど。
その時はあまりに好きな作品だったので、本当にがっかりしてしまった。
ハリウッド的なイメージが強すぎたし、白塗りにしても人間にしか見えなかった(私にはね)。
バンデラスの髭剃り跡が青くて、そんなヴァンパイアはいない!と思ったのを今でも覚えてる。
記者役のクリスチャン・スレーターだけはイメージ通りでした。人間役だからね。
ルイの話に魅了されながらも、夜の部屋に2人きりでいることに恐怖も覚えている。
冷たくて美しい夜の世界とは異質の、生々しい(美味しそうな)人間である感じがとても出ていて、ぴったりだなと思いました。
ゴシックで耽美でインディーズ的なものが、いかにもなハリウッド作になってしまって残念な気持ちだったのかもしれない。
ヨーロッパ系の映画に出ている俳優さんだとまた印象が違ったのかもしれません。
このシリーズの世界観が好きで、ライスの他のシリーズ「マミー」とか後年の官能小説なんかも追って読んでいました。
またシリーズを集め直して読んでみようかな。
ロックスターにまでなってしまうレスタトにまた会いたくなってきました。