S「高慢と偏見とゾンビ 」 ジェイン・オースティン、セス・グレアム=スミス 安原和見訳

二見文庫

 

この本は見つけた瞬間に買って、その時すでに映画化が決まっていたので急いで読みました。

既に色々忘れてるからさらりと読み返そうと思ったけれど、面白くてノンストップで読了。

 

原作の『自負と偏見』は若い頃に読みかけてすぐに挫折した苦い思い出があります。

十九世紀の英国文学、ジェイン・オースティン

勢い込んで読み始めたものの、複雑な恋愛心理に興味が持てなくて早々に終了。

その全く同じ話が、各シーンにゾンビが挟まってくるだけでこんなに面白くなるなんて!

 

主人公のエリザベスとその姉妹は、ゾンビとの三十五年に渡る戦いの中でも突出した勇敢な戦士。

中国の少林寺で武術の修行を積んできている。

一方、上流階級のダーシーは京都で修行した紳士でそもそも身分違いの恋愛。

2人が恋に落ちる経緯や紆余曲折は原作とほぼ変わらず。なのに原作には全くないゾンビがストーリーに自然と収まってる。おかしくて仕方ない。

 

楽しみにしていた映画は、期待以上の出来でした。

衣装もセットも格調高く、主役のリリー・ジェイムズのアクションは美しくて格好良かった。

 

ちなみに本来の原作の映画化の新しい方『プライドと偏見』(キーラ・ナイトレイ主演)も観ましたが、これも本当に良かった。

若い時には興味がなかった恋愛の機微みたいなものにも、ちょっとうっとりできました。

でもそれすら、脳内で勝手に冒険活劇とゾンビが補填されてたせいかもしれません。

そろそろオースティンも読める大人になりたいなと思います。