M「レス・ザン・ゾンビ」ダグラス・E・ウィンター

創元推理文庫

 

 


吸血鬼からのゾンビもの、良いですねえ~!
それでは私は、「レス・ザン・ゼロ」を下敷きにしたゾンビ作品を。

 

「レス・ザン・ゼロ」については、以前S様が書いてくださってますが、これもほぼそのまんま。
空虚な馬鹿騒ぎ。漠然とした閉塞感。それらをなんとなく感じてはいるものの、突き詰めて思考する事から徹頭徹尾目を背け、ひたすら受身の主人公。
読んだ後なんだかうんざりするのも同じ。

 

ただ取り上げられている音楽が、スワンズ、S・P・K、ニック・ケイブ、ジス・モータル・コイル、バウハウス、スキニー・パピー、クラン・オブ・ザイモックス(本作ではクラン・オブ・ジモックスと表記)と、オルタナティブ系なのは違うかな?

 

この作品ではゾンビは前面には出てこず、青年達の浅はかさの演出に使われる舞台装置に過ぎません。
ただ、ゾンビの不死性を、若い時の全能感/自分は永遠に生きるという錯覚に重ねているのは、うまいなと思いました。