S「レス・ザン・ゼロ」ブレット・イーストン・エリス

早川書房

レビューで連想したこの作品とは同じ作家だったのですね。道理で同じ匂いがすると思った。
これも、なんだか痛いなぁと思いながら読んだ記憶がある。先に映画を観てしまったので、本の中でロバート・ダウニーJrが歩き回っていた。80年代のビバリーヒルズで上流階級の若者は享楽的で退廃的な空気を吸って暮らしている。ドラッグとパーティーに彩られた享楽的な毎日だが、心はいつも虚ろなのだ。生命を浪費することでしか感じられない生。からっぽで、せつなくて、やるせない。