M「猿の眼」岡本綺堂   

図書刊行会


ハイ、綺堂さんです。表題作のほか「鰻に呪はれた男」「置いてけ堀」などなど、“怪談”が13篇収録されていますが、私は怖いというよりほのぼのしながら読みました。
それは講談調の語り口が、江戸末期〜昭和初期情緒を感じさせて、どこか懐かしい感じがしてしまうからなのかもしれません。唯一「鎧櫃の血」だけが、少しゾッとしましたが、けれどそこに出てくる血でさえも、なんとなく舞台の書き割りにペタっと塗られてる絵の具のような感じなのです。昔の日本ってよろしいなー、なんて思いながら読みました。