S「『気』で観る人体 経絡とツボのネットワーク」池上正治

SandM2005-03-09

講談社現代新書


人間の身体には「気」が流れるルート「経絡」がある。大きな幹線道路と支線があるように、その道はひとつではない。この本は人体の道路地図のようなもの。道の名前と、どこからどこを通っているかが書かれている。
「このツボを圧すと○○に良い」というような御利益を期待して読んだら、肩すかし。経絡の説明と五臓六腑の説明がひたすら続く。その地図を全部あわせると人体がおもむろに浮き上がってくる。気功とか瞑想なんかをする時にイメージしやすくなるという利点はある。身体の悪いところと全く関連のなさそうな部位に反射区があったりするのも、かなり納得できる。あまり愛想のない本だけど、身体にまつわる古い言い伝えや中医学の思想も説明されていて、実はなかなか使える本だった。