S「魍魎の匣」京極夏彦

講談社文庫

早ぁっ!もう読んだのですか!お気に召したなら、お話はまだまだ続くのでしばらく楽しんで頂けそうよ。私は夏が苦手なので「姑獲鳥の夏」はちょっと息苦しくて辛かったかな。取り憑かれたようになって読んだのは、この2作目の「魍魎の匣」。
これも主要人物は同じで、ここにももちろん美少女が登場。お互いを同一視するような思春期の少女達が抱く友情がモチーフに使われて、物語の残酷さを引き立てる。裁断して筺にきっちり治められた美少女がぱくぱくと口を開いて話したり、謎の新興宗教や冷徹な科学者が出てきて、ますます猟奇的な色彩が濃くなっている。
私も実写よりもアニメの方が良いかも。この人は誰に演じてもらいたいかな…とよく考えたけれど、全キャストをベスト(私にとって)な人で揃えるのは無理だと思う。もうすっかり顔も脳裏に浮かんでいるからね。
それにしても毎度ながら、辻褄合ってるようで合ってない話を無理矢理まとめる京極堂の口八丁に呆れつつ、まんまと言いくるめられてしまう。お見事!