M「男になるのだ」橋本治  

SandM2005-02-24

ごま書房


この本を読んだのは出版されて4年くらい後で、私にとって久しぶりの橋本治だったのですが、一読して“うーん、相変わらず頑張ってるなあ”と思いました。「男に生まれるのではない、男になるのだ」というこの本は、<なぜ男は家の中の事が出来ないか><なぜ会社=仲間意識から出るのを怖がるのか>等を、日本の家族の成り立ちから遡って説いてくれます。“他人に口出しされたくないから、自分の食い扶持は自分で稼ぐし、自分の汚れ物は自分で洗う”“だからといって、他人を遮断することが自立ではない。人と関わらずに生きていくのは不可能だから。その中でよりよい関係性を作っていくには、他人に依存するのではなく左右されるのではなく、自らを律し自らの意見を持たなくてはいけない”云々。いや〜、もう、男女問わず当ったり前なことですよね。それをなんとか理解させたくて、赤子に説くように丁寧に説明する橋本さんに、「この熱意はすごいなあ」と感心すると同時に、「ここまで説明しないと駄目なのかなあ」と暗澹たる気持ちになりました。