S「鬼平犯科帳」池波正太郎

文春文庫

久々に友人と会っていくつもの話題のどこかで鬼平の話をした。池波作品は好きなのだが、これは特にお気に入りのシリーズ。「人間は良いこともし、同時に悪いこともする」ものなのである、という人間観が底を流れている.
鬼平は永遠の上司であり、人生の師でもある。魅力的な人物がたくさん描かれているが、私の贔屓は密偵の伊佐次。クールで洒脱、格好良い。伊佐さんの最期は本当に哀しい。亡くなった後しばらくは続きが読めなかった程だ。
まわりに素敵な上司や大人がいない時、この本を読むか思い出すようにしている。