M「よろずや平四郎活人剣」藤沢周平

文春文庫


池波正太郎さんイイですよねー!!伊佐次はホンマ粋だった。おまさも気風が良くていさぎよい。相模の彦十はなんか可愛いらしいですよね。鬼平密偵には好きなキャラクターが沢山います。
さて、そんな池波さんと並んで私の好きな時代小説家の一人、藤沢周平さんのこれも一話完結式のシリーズものです。末子で妾腹とくれば冷や飯食いの平四郎は、お金に詰まって「よろずや」の看板を掲げます。タイトルには“活人剣”とありますが、5話目くらいから剣をふるう場面はあまり目立たず、夫婦喧嘩の仲裁したり捨て子の親を探したり。同時に平四郎の消えた許婚の行方を捜す話が絡んで、シリーズに一本の糸が通っています。
池波さんが平明な色使いだとすると、藤沢さんは暗濁色という感じで、ことに初期は陰鬱な作品が多かったのですが、このシリーズちょい前くらいから(基調は変わらないまま)ユーモアさえも漂うようになっていて読みやすいです。