M「鉄鼠の檻」京極夏彦  

講談社文庫


今回はお坊さんモノでした(…っていいのかしらこんな捉え方で)。
この巻もとっても分厚いのですが、冒頭の死人の現れ方も絵的ですし、その後も禅寺の内部や仕様や修行の仕方とかを上手く交えているので退屈せずに読めました。
犯人は意外性という点ではなかなかだったのですが動機はなんかどうも納得できなくて、けれど「まーええか動機なんてもうどうでも」という気にさせられるのが、京極さんのスゴイとこです。殺し方にイチイチ禅問答を絡めているのも面白くって、何回か読み返しました。
とにかくよく調べてるなあというのが印象で、もちろん専門家からしたら当たり前のお話ばかりなのかもしれないけど、全くの部外漢である私にとっては十分すぎるくらいの情報量なので、素直に感心してしまいます。