S「フィールドワーク 書を持って街へ出よう」佐藤郁哉

SandM2005-04-02

新曜社


社会学文化人類学*1の調査・研究をする時、アンケートなどのサーベイ調査と参与観察とも呼ばれるフィールドワークという二つの方法がある。前者は限られた項目で効率よくアンケートを取り、傾向をグラフ化して客観的に見せることが得意。後者は深く文化や人々の間に入って行くので時間がかかり、調査者によって全く違う結果が出たりするが、複雑な物事を記録するのに向いている。
これはそのフィールドワークの手法を解説した本。研究者や学生やリサーチの専門家ではない、私のような素人にも面白く読めた。異国の少数民族と暮らして民俗誌を書きたい!と思わず夢見てしまう。そんな遠くへ行かなくても、調査したい事例は身の回りにもたくさんある。休日の朝から公園をウォーキングしている人達は何考えているのかなぁとか、会社の珈琲好きはスタバ愛好派とタリーズ愛好派に分かれているけれど決め手は何だろうとか、毎日気になることばかりなのだ。

*1:それに限らず、マーケティング・リサーチや世論調査や経済効果等でも