M「誕生日の子どもたち」トルーマン・カポーティ  

SandM2005-03-30

文藝春秋


カポーティ!「ミリアム」は、ほんとイヤぁ〜な感じでゾッとしますよね。
エキセントリックを普通に描くのがとっても上手なカポーティ。この短編集の表題作になっている「誕生日の子どもたち」は、彼の作品の中では今のところ一番好きかもな作品です。
「6時のバスがミス・ホビットを轢き殺した」で始まるこの短編は、この一風も二風も変わった独立心の強い少女と、それに否応もなく惹き込まれる周囲と二人の少年の様子を淡々と描きます。ミス・ホビットの独特さは鮮烈で、その死はあっけなくて。。。「私の頭にはいつもどこか別の場所があるの。そこでは何もかもが美しくて、たとえば誕生日の子どもたちのようなところです」というセンテンスがとても心に残りました。
この短編集には、これも大好きな「クリスマスの思い出」も入っていて、読むたびに泣きそうになります。