M「食物連鎖」ジェフ・ニコルスン  

SandM2005-03-11

早川書房


これはなかなか面白かったです。外食チェーン経営者の息子である主人公は、会員制の「永遠倶楽部」に招待されます。ところがそこへ向かう車中では目隠しをされ、着いた倶楽部で目隠しを取ると、食卓の中心には女体盛りが供されています。
そんな本筋と、美食と人肉食と性欲殺人に関する挿話が入り乱れていきますが、その挿話を読むうちに、「食」というものがいかに性欲や支配欲と交差するかを感じさせ、いやそもそも食欲こそが、根本で最大の欲望なのかもしれないなあ、などと思いました。全体に皮肉っぽくブラックなのも私好みです。フリッツ・ハーマン*1も出てくるし。うふふ。

*1:少年を殺しソーセージにして売っていたドイツのお肉屋さん