M「アメリカのゲイ社会を行く」エドマンド・ホワイト

SandM2005-03-03

勁草書房


なんとなく海外ルポもの(?)づいているので今日はこれを。これはなかなか読み応えあります。70年代アメリカ全土を地域ごとに訪ね、ご当地ゲイ事情をレポしたもので、場所はLAからサンフランシスコからテキサスからニューヨークから。内容も町の特徴やゲイコミュニティ、当地で暮らすゲイの身の上話、ゲイバーの紹介、地域への溶け込み方(または浮き上がり方)など多岐にわたっています。自身もゲイである著者の恋人とのやりとりもあって、とても面白く読みました。“昼間は人参ジュースにフィットネス、夜はエンジェルダストにフィストファック”というのが時代を感じさせます。社会的政治的なゲイの位置付けについての考察も多いのですが、全体に明るい未来を夢見ていて、現実にはこのあとエイズがあってゲイパッシングが激しくなる事を考えると、皮肉だなあと思いました。