M「悪趣味百科」ジェーン&マイケル・スターン

SandM2005-02-22

新潮社


もう笑ってしまいます。アメリカン・ポップ・“ウンコ”・カルチャーを扱ったこの本は、これでもかこれでもかと、“悪趣味”なものを一つ一つ取り上げ、「それが何故生まれたか」「人々はどのようにハマったか」を解説していきます。対象も様々で、エルヴィスマニアにイエツリー、ジェロー、豹皮、ホットパンツ、キャディラックにTVディナーにツナ・キャセロールまで!こんな風に並べられると壮観です。中でも笑ってしまうのは、ナルティシズム嵩じて恋人を自分の顔そっくりに整形させるリベラーチェです。整形成った恋人を一目見て「美しい…スター誕生だ」と呟くに至っては、ここまできたらまことあっぱれだなあと思いました。
さまざまなモノ・人物・行動に共通するのは、派手で安っぽくて、一度だけでも広く一般に浸透した(流行った)ということ。そこがまたカッコ悪くて、またまた笑えます。これが主流になるということ、そしてこれらを咀嚼しちゃうってこと、「すごいなーアメリカって」と思いました。本の装丁も、派手な色使いといい安っぽい紙質といい、悪趣味全開でステキです。