M「ママゴト」城昌幸

図書刊行会


夢の中でしか訪ねられない“わが街”を訪ねたあとは、ぼんやりとしながら何か懐かしい不思議な気分になったりします。そしてなんとなく、キリコの「通りの神秘と憂愁」を思い出したりします。
懐かしいのに存在しない。本物だけど本物じゃない。
この「ママゴト」に出てくる古風な門前町もそんな風景で、懐かしくてやがてちょっぴりもの哀しいです。