M「刀剣金工図絵」深海信彦+善財一

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着物といえば武士…という訳では全然ないですが、眼にも心地よいこれを。
刀周りの装飾品といえば根付くらいしか思い浮かばなかったのですが、これに掲載されている鐔(つば)*1の美しいこと!絵柄のモチーフとなる物語も、源平・義経三国志*2の武将ものだけでなく、機織姫・樵・狸・閻魔王などなど多岐に渡っていて、眺めているだけで楽しいです。さらに各々のモチーフの元になった物語を丁寧に解説してくれていて、それだけでもちょっとした読み物になっています。当時の刀工のイマジネーションの豊かさ・それを形にする技術は素晴らしいなあと思ったり、江戸時代の人たちはこれらの伝説や伝承がとっても身近だったんだなあと思ったり、してしまいます。

  
右上は「須佐之男命」、中段は左から「機織姫」「初音」「敦盛最期」をモチーフにした鐔です。

*1:鐔だけでなく、目貫・小柄もとりあげられています

*2:諸葛孔明なんかめちゃメジャーに登場です