S「百億の昼と千億の夜」光瀬龍

ハヤカワ文庫


萩尾望都が出てきたところで、この本を。近所の図書館にコミック版があったのを最初に読んだのだけど、なぜか完結してなかった。それで原作本を探した所、SFがあまり得意でない私にも読みやすかった。イエスプラトン、シッタータ、阿修羅、弥勒梵天と、あまりにも有名な人物(実在も架空も交えて)がわんさか出てくるので、びっくり。ぱらぱらと読み返してみると、人間がカプセルでひたすら眠る都市が出て来る。映画『マトリックス』で「どこかで見たなぁ」と思ったのはこのイメージだった。ギリシャ時代から遠い遠い未来まで歴史上の人物に連れ回されるような印象で、読後は呆然と星を眺めてしまいそう。私が阿修羅像が好きなのは、ごく若い頃にこれを読んだ影響があるかも。