M「少女マンガの愛のゆくえ」荷宮和子  

光栄カルト倶楽部


あれは小学一年の頃でしたか、風邪で苦しむ私を哀れんで「Mちゃんなにか欲しいものある?」と聞くママ上に、「『つる姫じゃ〜っ』がいい…」と答えたワタシ…。
そんなステキな思い出も浮かぶこの本は、懐かしの作品を事例に、少女マンガの歩みと愛読していた少女たちへの影響を分析していきます。『講談社系読者は幸せな主婦を指向し、集英社系読者はキャリアウーマンを目指した』とか、『文学少女の救いは「やおい」にある』(そ、そうなんですか、せんせい?!)とか、なかなか興味深いです。
取り上げている作品も、古くは「エースをねらえ!」から始まって一条ゆかり「デザイナー」竹宮恵子風と木の詩萩尾望都アメリカン・パイ」から陸奥A子や田淵由美子、吉田秋生などなど、ちょっと集英社寄りのラインナップだったのも嬉しかったです。