M「フラッド」アンドリュー・ヴァクス

早川書房


ぎゃあああ!!!ノワール物ではダントツに好きなヴァクスのしかもブルーベルぅぅ!!(悶絶)いつか絶対書いてやると思ってたこの本、読んではったなんてなんだか嬉しいです!二番煎じになりますが、書かせてください。
もうね、ほんっとに好きなんですよう。バーク物はキャラクターもですがディティールも良い!手紙や電話の手の込んだ転送方法、オフィスへ続く階段を誰かがのぼったら点灯するライト、ママ・ウォンの店の窓にかけられるタペストリーによる暗号などなど、一つ一つがワクワクします。バークは攻撃型より防御型でして、用心の上に用心を重ねつつ普段は細々とした仕事をして日銭を稼ぐ探偵です。それが毎回出会う女に引きずられるように、危ないヤマを踏む羽目になったりして、その女性とバークとの関わりも見所の一つです。
私見ですがバークものは「ブルーベル」が最高峰、やや遅れて「フラッド」、この二作につきると思います。どちらも表題になる女性がひどく魅力的。「ブルーベル」の子供みたいに強情を張るベル、ひたすらいっぱいの愛情で盲目的にバークを愛するベル。とにかくたまらなく可愛らしくて、そして切ない。何回泣かされたかわかりません。
どの話も冷静に読むと、話の展開が強引だったり破綻してたりするところもあるのですが、そういった細部が気にならなくなるほど魅力がある、まさに「登場人物達と馴染むほどに続編が読みたくなる」シリーズだと思います。


で、やっと「フラッド」にいきますが(爆)これはバークシリーズ第一作。
いきなりオフィスに来たフラッドは人捜しを依頼しますが、彼女が探し出した相手を殺すつもりなのを感じたバークは、依頼を一旦は断ります。しかし…。
恐いもの知らずの武道の達人フラッドのキャラクター、そして彼女が持つ過去、さらに同じく武術の達人であるマックスとの交流など、読み応えあります。


蛇足ですが、第二シリーズは「ゼロの誘い」「鷹の羽音」「嘘の裏側」まで読んだのですが、読んだのですが…。よ、読まなくてもいいかも…です。しくしく(むせび泣き)

画像はアイパッチのアンドリュー・ヴァクス。渋い!かっこいい!!男前!!!(←アホ)