S「ブルー・ベル」アンドリュー・ヴァクス

早川書房


Mr.ブルーなのね。「レザボア・ドッグス」は好きだけど、どの人が何色か覚えてないわ。ではブルー&ムショ帰りつながりの暗黒街ものです。

NYの暗黒街で巨大な愛犬ナポリタン・マスチフのパンジィと共に暮らす前科27犯の探偵バーク。行きつけの中華料理店のママ・ウォン(ここも裏の世界に属する)が無理矢理勧める酸辣湯チベット人で武術の達人「音無しマックス」、プロフ(預言者)と呼ばれる浮浪者など、魅力的な人や物がバークの世界を形作っている。この話では美しい肉体と無垢な心を持つストリッパー・ベルの魅力が圧倒的。10冊位出ているシリーズの7冊目までしか読んでいない。これは3冊目にあたる悲しい物語。
登場人物達と馴染むほどに続編が読みたくなるシリーズなのだけど、何より好きなのは扉裏側にある作者近影。シャープな面差しに黒いアイパッチ、黒シャツに細いタイ。あなたは何者?と思ってしまうのだけど、本職は弁護士らしい。幼児虐待を主に取り扱っているそうだ(バークのシリーズでもこれは大きなテーマになっている)。7冊目以降は第2シリーズに入っているそうなので、また読んでみようと思う。