M「みどりの想い」ジョン・コリアー  

創元推理文庫怪奇小説傑作集2」所収 


植物綺譚といえばコレ!どこからか手に入れた新種とおぼしき蘭が、ある日やっとのことで蕾をつけるのですが、その蕾が、どうもなんだか蠅に似ている・いなくなった猫に似ている・姿を消した従妹に似ている…と言った按配。人間の声や扱いに対する反応を、植物化してしまった人間を通して描写してる箇所が絶妙です。
出版社に創元を挙げましたが、有名な古典なので怪奇幻想系アンソロジーには大抵載っていると思います。
それにしても、植物綺譚って案外少ないような気がします。動物綺譚や人形綺譚は沢山あるのになー。でもエッセイやノンフィクション系だと植物をテーマにした本は数多いし、単に(人形や動物に比べると)幻想の対象になりにくいというだけかもしれないですね。