M「霊応ゲーム」パトリック・レドモンド

早川書房

 

 

幽霊と少年少女の取り合わせ良いですねえ~!
思春期のグラグラする感じと存在が曖昧な幽霊は、なんだか相性が良い気がします。

 

前回S様が取り上げた作品は少女と幽霊の取り合わせだったので、
私は少年と幽霊(的存在)が組み合わさったこの作品を!
タイトルにある「霊応ゲーム」とはウィジャボード、いわゆるこっくりさんです。

 

この本を読んだのはもう何年も前ですが、いや~~~~すごかった凄まじかった!

 

舞台は1950年代の英国パブリックスクール。
そこに入った公立学校出身のいじめられっ子ジョナサンが、
カリスマ性を持つ一匹狼のリチャードと仲良くなるところから始まるのですが、

 

様々な性格の生徒たち
生徒間の力関係
教師への軽蔑
上級生への憧れ

 

などなどが、確かな情景描写で緊張感を持って映し出され、
学校が(ほぼ)全世界になってしまう10代の姿がありありと立ち上がってきます。
私は読んでいて自分の中学生時代を追体験している気持ちにさえなりました。

 

少年たちの青春ものかと思いきや、じわじわ不穏な空気が作中を覆っていき
オカルトの力が作用して陰惨な悲劇へともつれこむんですが、
生徒たち教師たちの、嫉妬・保身・愛情・憎悪・執着などの心情描写が細やかなので
突飛な感じはせず、むしろ納得しかない。
ラスト近くの怒涛の展開はカオスで映像的。

 

「デミアン」とか「トーマの心臓」が好きな方には刺さるのではないかしら。

 

むちゃくちゃ面白かったです!
ただし救いはないです!!